仙骨部硬膜外ブロックについて

硬膜外ブロックとは脊椎の中にある硬膜外腔というスペースに局所麻酔剤副腎皮質ステロイドを注入することで、注入した領域の神経の痛みや炎症をおさえ、症状をとる治療のことを言います。
局所麻酔剤の濃度や量によっては手術の麻酔と同様に感覚が消失し麻痺が起こりますが、外来でのブロック療法の場合は痛みがとれる程度の局所麻酔剤を使用します。また、激しい痛みがある場合は、神経の腫れや充血などの炎症が強いことが考えられますので、強力な抗炎症剤である副腎皮質ステロイドもあわせて注入することがあります。

硬膜外ブロックの適応

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硬膜外ブロックで治療を行っている病気には次のようなものがあります。これらは、どれも、腰痛や下肢の痛みやしびれが主な症状です。

腰痛症・尾骨痛
腰椎椎間板ヘルニア
腰部脊柱管狭窄症
腰椎辷り症
根性坐骨神経痛
その他の下肢の神経痛(帯状疱疹、反射性交感神経  性萎縮症など)
閉塞性動脈硬化症・バージャー病

硬膜外ブロックを受ける場合の注意
硬膜外ブロックは、痛みなどの症状をとりながら身体のもつ自然な回復力による病気の治癒を待つ治療法です。そのため、根本的な病気の治療ではありません。3〜4回行ってみて効果がなければ別の治療法に切り替える必要があります。また、効果がある場合でも、10回程度が一応の限度と考えられます。
また、ブロック注射後は当日の入浴は厳禁です。さらに後で述べるような合併症が発生しやすくなるのでブロック後の激しい運動などは避け、できるだけ安静にして下さい
また発熱のある場合や、腰部に湿布かぶれなど炎症がある場合は行えません。実施前に必ず申し出て下さい。場合によって、実施後に吐き気が見られたり、実際に吐いたりすることがあります。できれば、実施前は食事をなさらないことを薦めます
硬膜外ブロックができない方
次の状態にある方は、このブロック治療は避けたほうがよいでしょう。
針を刺す部位に皮膚炎や炎症のある方(細菌感染による髄膜炎をおこしやすいため)
血液の凝固しにくい状態の方(血液疾患、肝臓病、抗凝固剤を服用中の方)
著しく全身状態の悪い方(著しい高血圧のある方)
局所麻酔剤や副腎皮質ステロイド剤にアレルギーのある方
糖尿病などで免疫機能が障害されている方(細菌感染による髄膜炎をおこしやすい)
広範な腰椎椎弓切除術を受けられた方(薬液が十分に注入できないことがあるため)

硬膜外ブロックの合併症
神経の周囲に局所麻酔剤を注入するために、頻度は少ないものの次のような合併症がみられることがあります。ブロック後直ちに発生することもありますし、1〜2日後に症状が見られることがありますから、実施後十分注意してみて異常かなと思えばすぐに御相談下さい。これらの、合併症が見られる場合にはそれぞれ最適な治療を直ちに行う必要があります。また症状によっては回復まで入院治療をおすすめする場合があります。

麻痺症状(しびれ、脱力、排尿困難、失禁など)
低血圧(たちくらみ、吐き気、嘔吐など)
けいれん(局所麻酔剤の中毒症状)
髄膜刺激症状(頭痛、肩・くびすじのこわ張り、吐き気、嘔吐、めまいなどなど)
髄膜炎(発熱、意識障害、頭痛など)

ブロック実施に先立って、医師・看護婦より説明があることと思いますので、十分御理解の上、御同意が頂いた場合のみブロックを施行いたします。疑問に思われることなど、御遠慮無く医師にお尋ね下さい。

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